代を重ねながらも、新たな親しみやすさへ

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今年2月にリニューアルオープンしたばかりの、ヘアーサロン 「Quatre(キャトル)」。羽生で代々ヘアーサロンを営んでいるそうですが、リニューアルではカフェのような親しみある雰囲気を目指したそうです。壁には、たくさんのお子さんの写真が貼られており、安心して髪を切ってもらった様子が伝わってきます。

子たちの写真が張られた手作りのボード。

来店したお子さんのスナップ写真が貼られた手作りボード。

ご夫婦で営まれているというお店ですが、今回はオーナーの新井信之さんにお話を伺いました。

店名「Quatre(キャトル)」は「4」。

―キャトルという店名ですが、名前の由来はなんでしょうか?

新井さん:別に考えていた名前が没になって、どうしようかと考えていたんですが。実は自分がこの仕事で4代目なんですよ。4代目だと少し古臭い感じですが、祖先に感謝って言う意味も込めて、4代目の「4」をフランス語の発音で「キャトル」という店名に決めました。

あとは、春夏秋冬。季節ごとに合わせたおしゃれをヘアスタイルを通してお手伝いさせて頂きたい。という思いも込めて4シーズンの「4」という意味もあります。キャトルという語感だけでなく、根拠となる意味を大切にしました。

 

―4代続けて、羽生でやってらっしゃるのがとても素敵ですね。

新井さん:1代目の曾祖父母(ひいじいちゃん、ひいばあちゃん)が明治、2代目の祖父母(じいちゃん、ばあちゃん)が大正、3代目の父母が昭和、で、自分ですね。

でも自分では、あまり4代目っていう意識は無いんですよ(笑)

 羽生を出ようと思ったこともありました。近隣の街とか東京だとか。外に出ても4代目ってことには変わりないですしね。でも色々調べた結果、やっぱり羽生に落ち着いたんですよね。昔から来てくださってるお客様もいますから。

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―おじいさん、おばあさんの働いてる姿はご覧になったことはありますか?

新井さん:ちょっとだけ。小さいときにやってる姿を見たくらいですね。

 昔、ひいじいさんの代からやってもらってたってお客さんが来たことがあるんですよ。

 

―他の道には行かずに継ごうと思ったのはなぜですか?

新井さん:この仕事を継いだのは、子供のときから「お前はこの仕事を継ぐんだぞ。」ってじいちゃんからも、親からも言われて(笑)

 小さい頃は、父の仕事を手伝ったりもしていました。パーマをはずしたロットがあると洗ったり。はさみが置いてあったり、ロットが置いてあったり。そういう環境があって、それが自然だった。うちを継げば、髪のセットとか全て都合いいように、オシャレできるんじゃないかなっていう考えもありました(笑)子供のときは家で切ってもらってて、お金がかからないですしね。若い頃は、自分の髪にしか興味なくて、女性の髪を切るとは思わなかったんですけどね。

お客様の気持ちになってわかること。

新井さん:子どもの頃は、お客さんに1時間、2時間でやるところを、身内だったら何時間かけても完璧な頭にしてくれるのかなって思ってました(笑)。でも、そういうものでもないんですよね。時間をかければ良いってわけじゃないし、やっぱり自分の子どもより、当然お客様の髪を完璧にするっていう…。

 だからその当時、どうしてもパーマかけたいって親に言うと、学校の校則のこともあり、駄目だって言われて。それで、どうにかしたくて、とうとう他の店に行ってやってもらいました(笑)でも自分の家以外で切って、お客さんの気持ちがはじめてわかりました。今でも、出先で「ここのお店は行ってみたいな。」と思うと、ふらっと入ってみるんです。カットしてパーマすると時間がかかるので、ずーっと座ってるし、スタッフの人が入れ替わり来るし、結構疲れますよね。コーヒーが出てきても、トイレ行きたくなっちゃうしなぁ、と思ったり。そこで「トイレ行きますか?」って聞かれれば行きやすいな、とか。お客さんになって初めてわかることがあるので、いろいろと学べることが多いんです。

コーヒーの香りがする居心地の良い空間に。

―2月にリニューアルしたばかりですが、新しいお店のこだわりについて教えてください。

新井さん:カフェめぐりが好きなんです。フランスやイタリアって、1ユーロとかでコーヒーが飲めるんですよね。コーヒー飲みながら、ゆっくりするっていう、カフェっぽいリラックス出来る雰囲気がいいなと思って、こういう感じにしました。内装も木を使ってやってもらったり。

カフェのような雰囲気の店内。

カフェのような雰囲気の店内。

コーヒーの香りのするところで働くっていう理想もありました。なので最初は半分カフェ、半分サロンで、なんてことも思ったんですが、色々と大変で(笑)

 

―コーヒーへのこだわりがあるんですね。おいしいコーヒーがいただけるんですか?

新井さん:あ!今、淹れますよ!

―あ!そんなつもりじゃ!すみません!(笑)

 

基本を大切に、新たなデザインをする。

―私も経験がありますが理想の髪型の写真を見せて「これにしてください。」っていうとき、写真の髪型が、その人には似合わないってことありますよね?そういうときは、どうしてますか?(笑)

新井さん:そこまで変な写真をもってくるお客さんはいないですよ(笑)ただ、髪質が微妙に違ったり。そうした場合、全体像やポイントを抑えて、髪型もデザインなんで、ひし形だったら高い重心や低い重心とか、サイドを潰してあげたり。ヴォリュームの位置で変えてあげたり。それをやると、その人に似合う感じになる。似合わせるっていうのがテーマですよね。中高生は、オーダーしにくい時もあると思うのですが、テレビの有名人などのイメージを聞きながら、時間をかけて話を聞くように。時には、強い要望で、これでいいのかな?って思うときもありますが、その子のセットする方法を見てみて「あ、これでいいんだ。」って思うんです。オーダーメイドだから、私の知っているものがすべてじゃないわけで。

―新井さんがやってみたいカットなどができるチャンスはあるんですか。

新井さん:おまかせの時かな。でもおまかせが一番難しくて(笑)切った後、お見せした時に、「なぜこの髪になったのか。」っていう根拠がないとダメなんだよね。「なんでこの長さなんですか?」って言われたときに「なんとなく。」じゃ納得してもらえないでしょ。形、色、質感。顔、身長、外見。肩幅だったりがこうだから、こういう髪型になったって言えるように。それってデザインと共通だと思うんですよ。根拠が無いとね。洋服も、なぜこの絞り方だとか、体に合わせた意図があると思うんで、それと同じですよね。おまかせは、試されるときだと思ってるから。

ヘアーデザインについて語るオーナーの新井さん。

ヘアーデザインについて語るオーナーの新井信之さん。

―髪型って流行があるので、その都度勉強など大変だと思うのですが、どんな風に対応していますか?

新井さん:基礎をしっかり学ぶってことが大切ですね。テレビや雑誌で流行ってる髪形も見て流行を調べたりするようにしてますが。ベーシックなものを覚えておけば、それを簡素化したり、合わせたり出来るから。きちっとしたものがあれば、こんな感じで切ればこうなるっていうのが分かるようになるんです。

 

ー今後の理想を教えて下さい。

新井さん:店の立地的にオープンな場所にあって、多くの方に見て頂けるので、お客様だけでなく同業者の勉強会で出会うような、「ヘアーデザインをしたい」っていう熱意のある若い人を育てて、そんな風に地域貢献ができればと思っています。勉強会に行くと、そういう人が多くて刺激されるんですよ。

ただ学校を出て、お店に入って、お金をもらって教えてください。っていう人じゃなくて。失敗をしながらでも、自分で熱心に覚えようとする子たちと切磋琢磨しながら一緒にできたらいいなって。

店の外観。

店の外観。

後 記

カフェのような居心地のよい空間で、おいしいコーヒーを飲みながらインタビューさせて頂きました。

建物だけでなく、オーナーである新井さんの親しみやすさや、ヘアーデザインに対する真摯な姿勢が印象的でした。

羽生市には、たくさんのヘアーサロンがあります。

カフェ巡りならぬ、ヘアーサロン巡りの一つとして「キャトル」でヘアーデザインはいかがでしょうか。

詳細はお店のホームページでチェックしてみてください!!

ヘアーサロン「Quatre(キャトル)」

埼玉県羽生市東6-1-10
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