暮らしの実感ある市の広報

 今年4月、人口56000人の埼玉県羽生市の広報誌が新しくなりました。様々な特集記事や魅力ある写真、目を惹き付けるカラー刷りの広報誌にリニューアル。 「自分が住んでいたのは、こんなに豊かな街だったんだ。」と、暮らしの実感までも一新されます。「デザイナーが作ったのかな?」と羽生市民の話題に。
 しかし、広報誌はなんと外部からではなく取材から編集、デザインまで羽生市の秘書広報課が手作りで制作しているのだそうです。 驚きと共に制作の大変な苦労が想像できます。今回はそんな新たな広報誌を企画した一人、羽生市秘書広報課の増田さんに逆取材! 広報誌リニューアルの舞台裏に迫りました。

外から見て、気づいた羽生のこと。

-市役所で働こうと思った理由は何ですか?

増田さん:出身は羽生市なのですが、山梨の大学で先生を目指そうと思っていました。ですが、大学生活の中で、町づくりに興味を持ったことがきっかけで、羽生市役所に就職しました。
羽生市役所では、社会福祉課に2年勤務し、そのあと秘書広報課に異動になりました。その年に市町村職員が集まる研修に参加させていただき、そこで全国の方と知り合って衝撃を受けました。こんなにもすごい広報誌を作っている方がいるのか、熱意を持っている方がたくさんいるのかと。

そして昨年、埼玉県の研修で、今年の全国広報コンクールで日本一になった埼玉県三芳町の職員の方に出会い、視察をさせて頂きながら、羽生市における広報のあり方を具体的に考え始めました。

自分たちでデザインすることを解決策に。

-広報を新しくする上で大変だったことは何ですか?

増田さん:そうですね、まず第一に「予算を抑える」ということが大きな課題でした。タブロイド判からA4版にし、デザインの外部委託をすると大きく予算がかかってしまいます。そこで、三芳町の広報の方は、レイアウトなど職員の方が手がけていることもあり、私たちも自分たちで、デザイン、編集をすることでコストを最小限に抑えました。
また、市役所は市民の方への影響が大きい分「新しいものをつくる」 ということは、とても勇気がいることでした。予算面のクリアや市長、上司、周りの応援もあり、新しい広報制作を実現することができました。画像編集ソフトなども、 一から勉強して、専門的な使い方を覚えていきました。

羽生市の人の魅力を伝えていきたい。

-とても見やすいデザインで、記事もおもしろいのですが、工夫している点はありますか?

増田さん:若い人にも読んでもらえるよう、雑誌や他の広報誌を参考にしながら、制作しています。今月(5月)号の結婚の特集は、かねてより暖めていた企画で、2月から動き始めました。結婚相談所の方々や、 羽生市に住むご夫婦などのインタビューを多く行いました。
また、街を出て、大学の教授にも結婚に関するお話を伺い掲載しました。今までの広報は、お知らせがメインだったのですが、新しくなった広報では、羽生でがんばっている人、おもしろい人などにスポットを当てて、特集などで市民の方々のインタビュー記事を多く載せていきたいです。

自分の街への関心のために。

-やりがいや、思い入れがあるところはどんなところですか?

増田さん:広報の制作は、人と出会えることがとても楽しいですね。改善点を指摘して頂けることもあるのですが、現在までに様々な方に良い評価を頂き、反面少しプレッシャーもあります(笑)。
4月号の広報誌裏面で大きく掲載した、キヤッセ羽生で行われたクラフトビアフェスティバルでは、多くの方が来場し、とても賑やかなイベントとなりました。広報の効果ももしかしたらあるのかなぁと。目に見える実感として嬉しかったです。
やっぱり人にフォーカスをあてた記事に思い入れがありますね。今後も羽生のためにがんばっている人を紹介したいと考えています。羽生市には素敵な方が、たくさんいらっしゃるのに、意外と知られてないんですよね。それって、もったいないなと思います。 広報を通して、市に関心をもってもらえるような、関わりをもってもらえるような、そんな広報誌をつくっていきたいと考えています。

 

後 記
 インタビュー後半では、同じく羽生市のキャラクター推進室にご勤務されている、佐藤さんにもお越しいただき、市の観光や、ご当地キャラクター、ムジナモン誕生秘話、キャラクターさみっとなどの話も伺うことが出来ました。
 今回のインタビューを通して、広報誌を制作することの大変さ、増田さんを含め、秘書広報課の方々の街作りへの情熱が伝わってきました。街に住む人々との距離を縮め、おもしろく読みたくなる広報はそれ自体が親しみある街の大きな魅力になるのではないでしょうか。
 今後もどんな記事を読むことができるのか、市民としてどんなかたちで広報誌に協力することができるのか、いずれもとても楽しみですね。

※「広報Hanyu」は羽生市のサイトからPDFでもご覧になれます。まだご覧になっていない方、市外の方はこちらからぜひ。→http://www.city.hanyu.lg.jp/docs/2015032400108/

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